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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


LAに戻って10日

今日あたしは脚の肉芽腫を摘出する手術を受ける


病衣に着替えて内科の診察を済ませると、時間になるまでは大我と青峰君とママとパパで個室で過ごす。


ママとは採血初日こそ言い争いをしたけど、次の日からはあたしも冷静になれて普通に話したりいつも通りに戻れた


「みさき、頑張れよ」

「ちょっと緑間先生と術後の生活のこと話してくるからパパとママはこれでお部屋出るけど、終わるまで待ってるからね」

「うん。ありがとう。頑張るね」


パパとママがあたしにキスをして、ママは少し泣いてたけどパパと一緒に部屋を出て行った


「みさき、頑張れよ。母さんにはみさきを見たら追い返せって言っといた」

「あはは。ありがと」

「俺もちょっと玲子さんと話しあるから行くけどまた後でな」


大我も珍しくあたしのおでこにキスをして部屋を出て行った




青峰君はよく実家に来てくれて、何度か一緒にご飯も食べてママとは普通に話すようになって、昨日はパパも帰って来て5人で一緒にご飯を食べた

付き合ったばっかりで相手の両親といるなんて片身が狭いって思うはずなのに、嫌な顔もせず“お前といれるならどこでもいい”って言って一緒にいてくれた


そして今だってあたしと一緒にいてくれる

付き合い始めたばっかりで面倒だって思われてもおかしくないのに毎回病院に付き添ってくれた



「みさき」

こうして優しく名前を呼んでもらうのは何度目なんだろう
何度も呼ばれてきた自分の名前なのに、青峰君に呼ばれると特別な響きに聞こえるのはどうしてなんだろう


優しく腕を引っ張って、あたしを抱きしめてくれる青峰君は相変わらず硬くてあったかい


「青峰君、ほんとに色々ありがとう。すごく感謝してます」

コーヒーから助けてくれたことも、知り合ってからずっとずっと優しかったことも、NYで一緒に過ごせたことも、貰いすぎなくらいもらった贈り物も、軽井沢で好きだって言ってくれてこんなあたしと付き合うって決めてくれたことも全部全部感謝してる

青峰君に会えたから人を好きになるってことがどんなことなのか知ることができました



「最後みたいな言い方すんなよ…」

最後にするつもりなんてない
でも最後になっちゃったとしても後悔しないようにしておきたいの


後悔して成仏できなかったら付き纏っちゃいそうだから
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