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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


side火神

病院で珍しくおばさんと言い争いしたと思ったら、みさきの一言でおばさんがみさきを叩いた


おばさんだって叩くつもりなんてなかっただろうし、みさきだって売り言葉に買い言葉で本心で言ったんじゃねぇってことは分かった


みさきとおばさんはめちゃくちゃ仲いいけどケンカすると容赦なく言い合うから、このまま一緒にいさせんのはみさきを刺激するだけだった

だから、おばさんを仕事に行かせてお互いに冷静になればいいと思っておばさんを車に送った

「まさか自分で娘を叩くことがあるなんてね…」

「あれはみさきも悪りぃ。でも本心じゃねぇよ」


おばさんはすげぇ優しい人だから、みさきを叩くなんてこと今まで一度もなかった

けど死んでもいいなんて言われりゃ手が出ちまうのも無理はねぇよ…


「こんな日まで仕事休めないなんて…もうどうして働いてるのか分からなくなっちゃう」

「みさきは俺が見るし、青峰もいるから。今日はちょっと離れてお互い冷静になった方がいい」

「いつもごめんね。みさきがいる方のお家に一緒にいてあげてくれる?うちでも青峰さんも上げてもらっていいから」

「分かった。もう時間ないだろ」


眉を下げて何度か腕時計を確認してるおばさんは、みさきといたいけど仕事も休めないって葛藤に揺れてるように見えた。


「じゃあごめんね。みさきの事よろしくお願いします。青峰さんにもよろしくって伝えてくれる?なるべく早く帰れるようにするね」

「こっちのことは気にしなくていいから。事故らないように気をつけて」



おばさんを見送ると、今にも寝そうなみさきを連れた青峰が出てきたから、後ろのシートを倒して乗せるともうほとんど寝てる。


みさきの実家に着くとセルジオが心配そうに出てきて、いつもは俺を攻撃するあのパンチも威嚇もせずに青峰が抱いてるみさきを見てる。


みさきが寝るには充分な広さのソファにみさきを降ろすと、セルジオがすかさず横に寝そべった。



まだ青白い顔をするみさきにブランケットをかけてやると、相当疲れてるのか息をしてるのか心配になるほど静かに寝てた。

青峰がみさきの頭を撫でると、すかさずセルジオが起き上がって睨み付けて二人でにらみ合いを始めた。

「仲良くしろよ…」

「無理だな。こいつはみさきに可愛がられすぎててマジ腹立つ」

全く…ジェイクの次は猫かよ
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