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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


その後しばらく休ませてもらってから画像を見せてもらって、どの部分が癒着してるかを説明してもらった

『画像を見る限り大動脈への癒着は確実で広範囲に及んでいる。癒着部分を無理に剥離させようとすれば大量出血を起こしてしまう。剥離が厳しい場合はその部分だけを残すか、人工血管に置換することになる』


『兎に角、兎に角安全な方法でお願いします。みさきの命だけを最優先に、一番安全な方法でやってください』


ママは説明を聞く間何度もこの言葉を繰り返した

『リスクは分かりますけど、とにかく取りきって再手術をしなくていいようにしてください。人工血管でもなんでもいいからとにかく…』

あたしはもうあの事を思い出すようなことは嫌だった。
肉芽腫が残ってまたそこに組織が絡みついて同じことが起きるなら、リスクを冒しても取りきって欲しかった


『気持ちは分かります。でも命が一番大事だということを忘れないで。あなたの場合、どんなアレルギーが隠れているか分からない。人工血管置換で体が拒絶反応を起こせば、即命を落とすこともありうるんだ』

『それでも、もう手術は…嫌なの』


執刀医のドクターは私の意見も聞きつつ危険は回避するということを約束してくれた。
どちらにしても簡単な手術ではないけど、あたしはあと2回の貯血を頑張ればいいと思った


けど、先生の部屋を出て採血後に寝てた部屋に戻ったらママが怒りだした



「みさき!何であんなこと言ったの!」

「なんでって…痛い思いするんだから取りきって欲しいに決まてるじゃん!また同じ手術しなきゃいけなくなるなら今回リスクがあってもそうして欲しいに決まってるでしょ!?」

「死んじゃったらどうにもならないでしょ!」

「また同じことになってメイクもできなくなるくらいなら、別に死んだって…」






パシッ___


「いいわけないでしょ…ママより先に死ぬなんて絶っ対…絶対許さないわよ…」




生れて初めて叩かれた。

顔を赤くして震えて怒ってるママは目に涙が溜まってて、自分が言ったことがいけないことだって分かってたけど“ごめんなさい”って言葉が言えなかった。

それに、死んでもいいなんて本心じゃなかった。


「おばさん…みさきは俺が連れて帰るから、今日この後仕事だろ?」


ママを車まで送るつもりなのか大我がママを連れて部屋を出て行った。
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