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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


病院について最初にあたしの手術をしてくれるドクターのチームとの顔合わせがあった。


手術の細かい説明もされて手術の予定時間は6時間だということだった。

日本で撮影したレントゲンを見ると、血管と近いというよりは血管と癒着してる可能性が高くて手術は簡単ではないことをドクターが説明してくれた。

この後のレントゲンで造影剤を使って、肉芽腫がよりわかりやすい画像をとるけれど、切開して実際に見てみないことには癒着度合いを正確には見極められず、術式は切開してから確定する事になった。


一通りの説明を受けてカンファレンス室を出ると大我と青峰君が来てくれてた。


「なんだって?」

「なんか血管と癒着してるかもだって。一応手術時間は6時間だけど癒着の度合いで前後するみたい。大我と青峰君の時間があれば後で真太郎に説明してもらう様に言っておいた」



ママは説明を聞きながら昨日と同じように泣いてて、あたしはまだこれが自分の事じゃないような、現実じゃないような不思議な感覚だった。

さほど待たずにレントゲンに呼ばれて、水川先生と玲子先生が一緒にレントゲン撮影に入って、担当検査技師に絶対傷に触らないことを何度も確認してくれて、位置を変えるたびに立ち会ってくれたから、パニックを起こすことはなかった。


画像を待つ間採血と輸液、鉄剤の経口摂取と赤血球を作るのを促す点滴がされた。



今まで血液検査くらいでしか採血をしたことがなかったから400mlを一気に抜くってことが分かってなかった。

輸液が終わっても怠くてくらくらするし手足が寒い。

採血が終わって寝たまま休ませてもらってると、ママと大我と青峰君が部屋に来てくれて代わる代わるあたしの頭を撫でてくれた。

「みさき、画像を見ながら改めて説明になるが…顔色が悪いな…もう少し後にしよう」

採血から1時間くらいで真太郎が呼びに来てくれたけど体調は戻らなくて起き上がれなかった

「おい、緑間。これ大丈夫なんだよな」

「顔色は悪いが採血と輸液は問題なく終えている。回復までは時間がかかるからしっかり食事をとらせてよく寝かせてやるのだよ」


あたしは元々色が白いせいか具合が悪くなるとすぐに顔色が真っ白になってしまってよくママにも心配されてる。

青峰君がすごく険しい顔で真太郎に聞くからよっぽど顔色が変なんだってことは何となくわかった。
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