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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


遅いか早いかの違いだなんて言ったはいいけど…
すげぇ緊張する。


母親は前回のような攻撃的な目ではなかったけど、信用してくれてるって感じでもねぇ。
多分、今回は事情が事情だから黙認されてるって感じだな。

デカい玄関と玄関ホールの奥にあるリビングに通してもらうと、鋭い目線にグレーの髪で、割と身長の高めの、見るからに頭の良さそうなみさきの父親が新聞を読んでて、みさきの声に新聞を降ろしてキスとハグをしてる。


「おじさんおはよう」

「おはようございます。青峰大輝です」

「大我おはよう。初めまして青峰君」

目線は決して優しくねぇけど、普通に挨拶を返してもらえたことはホッとした。

けど…

あの目は全っ然笑ってねぇ


「ママがグルテン入ってないパン焼いたって言うけどパンとオートミールどっちがいい?」

「「パンで」」


俺と火神の声が重なって、みさきが俺と火神の座るとこも用意してくれて5人で朝食を食べ始めた。


みさきの実家はいちいちいろんなものがデカい。
リビングから見えるプールも外のジャグジーも、一般家庭とは違う。


そして母親が取り分けてくれる朝食がすげぇ旨い。
ホテルの朝食とかより全然旨い


「青峰さん、お口に合いますか?」

「はい。おいしいっす」

「よかったー!」


似てる…

俺がみさきにメシを作ってもらった時、みさきもこうやってホッとしたような顔で笑って「よかった」とか言って可愛い顔してた。

やっぱ親子だな。



食い終わってみさきと母親が一緒にテーブルを片付けて、紅茶を淹れてくれたからそれを飲んでるとみさきが2階から黒い猫を連れて来た。



「お、セルジオ。久しぶりだな」

すっげぇふてくされた顔して、火神のことめちゃくちゃ睨んでシャーシャー威嚇してる。

「もう。この悪い子は。チューしちゃう」

めちゃくちゃ怒ってる猫にめちゃくちゃしつこくキスしまくるみさき。
やめてやれよ…
つーか俺としろ


「ほら、青峰君だよ。セルジオも挨拶して。はい、こんにちはー」

シャーッシャーッ

全く歓迎されてねぇ…どころか、めちゃくちゃ嫌われてる。

「もうっこの悪猫ちゃんは。怒ってばっかでも可愛いんだから」

なんかみさきの様子がおかしい。
言ってることもやってることも滅茶苦茶でキスしすぎだ


「な、溺愛だろ?」

「だな」
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