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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


side泉

「司!ちょっと司‼起きて‼!」

「…なんだよ…まだ起きなくても間に合うだろ?」

「違うのよぉ‼‼昨日みさき鍵持って行かなかったらしくてあたしたち締め出しちゃったの‼」

今日はみさきの病院の日で、いつもより落ち着かなくて早く目が覚めた。

サイレントを解除しようとしてスマホを手に取ると、みさきから何件もの着信と1件のメッセージが入ってた。

(鍵なくて締め出されたから大我のとこ泊まる。朝起きたら連絡ちょーだい)


「嘘だろ…?」

いつもは寝起きの悪い主人も驚いて自分のスマホを見て頭をかかえてる。


取り敢えず起きたことをみさきにメッセージを入れて、たいちゃんにもメッセージを入れた

(みさきがそっちにいるって聞いたんだけど、起きたらこっちでみんなで朝ごはん食べましょう)



みさきからは返信がなかったけど、メッセージを送って少しした頃、たいちゃんから電話がきた。

「あ、おばさんおはよう」

「おはよう。ごめんねー。あたしてっきりみさきが鍵持ってったと思って閉めちゃったのー」

「ははは!いいって。みさきまだ寝てんだけどさ、朝飯そっち行っていいの?」

「もちろんよ。司もたいちゃんに会いたがってるし」

「実はさ…青峰が一緒なんだよ」

「え…?」

みさきから青峰さんのことは何も聞いてなかったけど、たいちゃんからはみさきと青峰さんが両想いでくっつくと思うってことは聞いてた。

けどまさか……
今回の手術のことを話して、一緒に来てもらう程みさきが彼に心を開いてるとは思わなかった。


「青峰もいいなら俺も行くけど…」

「いいわよ」

みさきが信頼してそうしたなら、あたしが色々と口煩く言えばみさきは恋愛を嫌になってしまうかもしれない。
彼とみさきの関係は定かではないけど、娘の恋心を見守るのも親として一つの選択だとあたしは思う。



問題は今ソファで紅茶を飲みながら部下と電話をしてる私の主人。


「じゃあ待ってるわね」


たいちゃんとの電話を切って司が電話を終わらせるのを待った。

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