第5章 色褪せない想い
登録してねぇ番号から電話がきて、何かと思ったら結婚式場からで、タキシードのクリーニングが約束の日に間に合わないと言ってきた。
赤司から貰ったのもあるし、とりあえず今持ち帰れなくてもいいから終わり次第でいい事を伝えた。
そーいや、黒須が仕事でアメリカと日本行き来してんだよな。
持ってきてくんねーかな…
そうすりゃまた会える。
けど、黒須の連絡先が分かんねぇから火神に聞いてもらうことにした。
名刺があるから仕事の連絡先は分かってるけど、仕事じゃねぇのにそっちに連絡すんのは何となく気が引けた
(8月終わり頃からニューヨークだとよ。それでよきゃ持ってけるらしいぜ)
火神のメッセージから黒須と一緒にいると予想して電話をかけた
「よぅ。黒須と一緒か?」
「みさき?まぁ一緒だけど」
「ちょっと代わってくんね?」
代わった電話の向こうから聞こえた黒須の声
会いたくなる
頼んでんのは俺なのにタキシードが汚れたことを自分のせいだと思って礼を言われて、あまりの律義さにちょっと笑っちまった
火神に電話を戻そうとするのを断っておやすみっつったらこの間は聞けなかった返事が小さく返ってきた。
おやすみなさいとか…
可愛いすぎる
なんつーか、全部ツボ
緑間のとの関係がクリアになった訳じゃねーし、さつきも黒須が自分の事を話さないのには事情があるとか言ってたけど今はそんなことどうでもいい。
「はぁ…すげぇ好き」
「何が好きなの?」
思っていたことがポロッと口から出て開けっ放しのドアからお袋が顔を出した
「なんでもねーよ!!」
ビビったー…
つーかドア閉め忘れてたのか…
電話の度に彼女はいないのかとか結婚しないのかとか聞いてくるお袋はすげぇ鬱陶しい
いい歳して知り合ったばっかの女にベタ惚れだなんて知れたら想像しただけで疲れるから、気を紛らわそうと高校の時に見てたマイちゃんのグラビアを見たけど全然集中できねぇ
今までは巨乳がすげぇ好きだったんだけどな…
巨乳に全く興味がねぇ訳じゃねぇけど黒須なら巨乳じゃなくても全然いい
つーか黒須が巨乳だったら似合わねぇから今のままが一番可愛い
NYで飯に誘うか…