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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


青峰君も合流して出国の手続きを済ませるとさつきと美緒と黄瀬君と黒子君がお見送りに来てくれていた。


「みさき、待ってるからね。絶対成功するって信じてるから」

美緒が目に涙を溜めてあたしと目線を合わせて力強く言ってくれる。

「また3人で旅行しようね。絶対戻って来てね」

さつきはぽろぽろ泣いててあたしまで泣きそうになっちゃう。


「大丈夫だよ。すっごく優秀な先生がしてくれるしね、体重も結構増えたの。9月の撮影絶対みんなで行こうね。パットもあたしの友達に会えるの楽しみって言ってたから」


3人でしっかりハグをして体を離すと黄瀬君と黒子君も声をかけてくれた。

「みさきっち。待ってるっスよ」

「黒須さん。9月の撮影で会いましょう」

「えっ!?黒子君同行するの」

「はい。そちらの担当がまだ新人で心配なので社の方から同行の命令を受けました」

「そうなんですね!じゃあ9月にまた」



この人たちに会うためにあたしは絶対に戻ってくる。


搭乗ゲートをくぐる直前もう一度だけみんなに手を振って飛行機に乗り込んだ。






いつもなら寝ちゃう機内も今日は何故か眠る気分じゃなくて機内Wi-Fiに繋いでママと連絡を取った。

(そっちに着いたら真太郎たちが日程を説明してくれるから一緒に聞いてね)


(分かったわ。パパももう帰ってるからね)


あたしの手術に合わせてパパは休みを取ってLAに帰って来てくれた。
青峰君のことを反対してないとは言ってたけど付き合ってるってことはママにもパパにもまだ言ってないし今回一緒にLAに来てることも知らない。


まぁそのうち何か聞かれたら言えばいいのかな…?



シートベルト着用サインが消えて青峰君があたしの横の席に移動してきてくれた。


「疲れてねぇか?」

「うん。大丈夫。青峰君は大丈夫?」

「大丈夫だ」


優しくあたしを撫でてキャップを外した青峰君の髪が短くなってる。
短いのかっこいい…


「ん?なんか欲しいか?」

「えっ?ちっ…違うよ!そうじゃなくて、髪切ったんだなって思って」


じっと見すぎちゃった…
だって…すっごくかっこいいんだもん。


「あぁ。今日ネロも切って俺も切った」

「ネロ君も切ったの?」

「見るか?」


そう言って見せてくれたネロ君の写真は真っ白のライオンさんだった。
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