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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


side青峰


「悪りぃけど空港送ってくんね」

「今度いつ帰国するの?」

「遅くて7月。7月から景虎さんとこ」

今の様子なら6月の半ばから本格的にトレーニングしてもいいけど時間があるなら7月まできっちり休んでリハビリとトレーニングを再開するのがベストだって景虎さんから言われてた。
LAでのトレーナーは景虎さんが紹介してくれることになってたから向こうにいる間に何度か行く予定にはなってる。

「LAの宿泊先と新しい住所送っといてよ」

「火神の実家。新しいとこは決まったら教える」

「迷惑かけるんじゃないわよ」


ったく…俺は子供じゃねぇっつーんだよ。
しかも火神の親父さんは今長期で海外出張でいねぇんだよ。



ネロも車に乗せてお袋に空港に送ってもらって車を降りようとするとネロが寂しそうな顔で俺を見てる。

『ごめんな。ちょっと留守するけど必ず帰ってくるからいい子にしてろよ』

黒い目をウルウルさせて鼻を鳴らして俺の手を舐めるネロを置いて行くのはすげぇ可哀想になるけど、落ち着かねぇ環境にネロを連れて行ってストレス溜めさせんのも可哀想だった。

「悪りぃけどネロ頼むわ。分かんねぇこととか様子が変とかありゃいつでも連絡して」

「わかった」


毛の短くなったネロを撫でてからみさきにもらったキャップを被って空港に入った。



出国の手続きを先に済ませようと国際線カウンターに歩き出すとなんとなくみさきがいるような気がして振り向いたらやっぱりいた。



みさきが変な犬を1つ持ってて火神は2つ持ってる


「なんだそれ?」

「抱き枕だよ。すっごく抱き心地いいの。3匹売れ残っててあたしと大我で1匹ずつ飼うんだけどね、新しいお家にネロ君のお昼寝友達として1匹もらってくれたら嬉しいんだけど…」


売れ残った抱き枕…
この話ってフォーシーズンズでしたよな。
あん時みさきが泣いてんのに何もできねぇ自分がすげぇ腹立たしかった


「あぁ。もらう」

「この子はネロ君のお昼寝友達だからね‼」


なぜか念押しされてみさきから1匹受け取るとやる気のない犬の抱き枕からすこしみさきの匂いがする。

みさきってなんかいちいち可愛い



抱き枕なんてもらって嬉しいかって聞かれたらすげぇ微妙なんだけどみさきがくれるっつーならマジでなんでもすっげぇ嬉しい。
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