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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


車に戻ると大我がシートを倒して目を閉じてる。


さすがに一日運転で疲れちゃったよね。


にしても…
さっき買った子犬の抱き枕を早速使ってる。

なにこれ。面白すぎ(笑)


写真撮っちゃお。


プライベートのスマホを出して大我を撮って着信画面に新しくこの写真を設定した。



あたしはあんまり写真を撮る方じゃないけど着信の画面は結構人ごとに設定してる。

さつきも美緒も黄瀬君も本人が映るから名前を見なくてもすぐに分かる。

青峰君のもそうしたいけど…
写真がほしいなんて恥ずかしすぎて絶対言えない。
だから青峰君のはネロ君にしてる


大我が起きるのを待ちながら青峰君にメッセージを入れた。


(あいさつ回りが予定通り終わったよ)


青峰君は色々用意があるって言ってたから忙しいんじゃないかって思って返信は期待してなかったけど意外にもすぐに返信がきた


(お疲れ。脚大丈夫か?俺もこれで家戻るから後で空港でな)

(ありがとう。大丈夫だよ。また後でね)

どこかに行ってたんだっていうのは文面で分かるけど、それを聞いていいのか聞かない方がいいのか分からなくて会話が終わっちゃった。


誰かと付き合うっていうのが初めてだからどこまで聞いていいのかなとか考えちゃってやっぱりメッセージは苦手。





「あ、わり。寝ちまった」

「いいの。疲れたでしょ?ごめんね」


メッセージの画面を眺めながら自分の返事がよかったのか悪かったのか考えてたら大我が起きてクッションをあたしに渡して車を出してくれた


「この子犬いい仕事するぜ。弾力が丁度いいし肌触り最高」

「でしょ。あたしも最初お店でギュってして確かめた時絶対いいと思ったの」


マシュマロとお餅の中間みたいな弾力とすべすべの肌触り。
膝にのせたまま撫でると手の平がすっごく気持ちいい。



こんないい抱き枕を青峰君に渡したらあたし寝るときギュってしてもらえなくなっちゃわないかな…


だって少し体重を増やしたとはいえほぼサイズの変わらない胸と柔らかさのない背中よりもこっちのふわふわもちもちで、全体がおっぱいみたいなこの子犬ちゃんの方が絶対抱き心地がいい。



やる気のなさそうなこの子犬…
結構なライバルになりそうな予感
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