• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


黄瀬君と先輩モデルさんたちと話しながら8月からは少しずつ仕事を再開するつもりってことを伝えると黄瀬君以外のモデルさんたちも使ってくれるって言って笑ってくれる。


こういう時、黄瀬君みたいにどんな人か分かってる人が一人でもいてくれると安心できる。


「先輩たちがみさきっちにやってもらってたら俺がしてもらえるのが減るじゃないっスかー‼」

「お前しょっちゅうやってもらってるだろ!?俺もたまには静かなメイクがいいんだから譲れよ」

「ね、黒須ちゃん今年の写真集もメイク入ってくれる?」


「まだ分からないです。社長さんからオファーしていただけたらもちろんやらせていただきます」


黄瀬君たちの写真集はいつも年末に出すことになってて10月の終わりから何日かに分けて撮り始めて結構なボリュームになる。
毎年予約だけでほぼ完売の大人気写真集。

初めて黄瀬君に会ったのもこの写真集の撮影だった。
その時は黄瀬君ともう一人のモデルさんのメイクだけしたけど次の年からはあたしがメイクチームをまとめさせてもらってる。




「お前ら、お茶ぐらい出せよ。黒須さんお待たせしてごめんね」


今年の写真集の話をしてると社長が戻ってきて受付から奥様が来てわざわざ紅茶を出してくれた。



「すみません」

「こちらこそごめんなさいね。全く誰もお茶を出さないなんて、どうなっちゃってるのかしらね(笑)」


応接に通してもらって茶菓子まで出してもらいながら社長と今後の予定を話した。


「脚…だったよね」

「はい。帰国はまだはっきり決めてないですが、8月からは少しずつ仕事を再開しようと思ってます」

「じゃあ、いつもの写真集またメイクの頭やってくれないかな?」


いい返事をしたい。でも無責任なことはできない。
ここは仕事として私の状況をはっきり伝えておく必要があると思った。


「できればやらせていただきたいんですが…」

肉芽腫が動脈に近くて手術が複雑で命の危険もあることを話して確約は難しいことを話した。


「大変な手術になるんですね…成功を祈ってます」

「手術がうまくいけばリハビリは私のやる気次第なので、手術が終わったらご連絡致しますので、その時にまたチャンスをいただければ幸いです」


「必ず連絡いただけると信じてます。頑張って」




最後にしっかり力強い握手をしてくれた
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp