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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


あたしが色々考えながらゆっくり食べてるのに大我の食べっぷりはもう1週間エサを食べてないトラそのもの。


あたしがまだ2口しか食べてないのに大我のオムライスはもうほとんどない。

そして運ばれてきた3キロのパスタ。

「45分以内の完食でテーブルのお会計が無料になりますので是非チャレンジしてくださいね」


ウエイトレスの女性がタイマーをセットして置いてくれたけど、大我が3キロ食べるのに45分もかかる訳がない


リスもびっくりの咀嚼スピードで次から次へと食べて、あたしがオムライスを半分食べる間にそれを食べきって店員を呼んで、たらこスパゲッティを持ってくるように言ってる。



「ねぇ、お腹大丈夫?」

「は?こんぐれぇ普通だろ」

全然普通じゃない。
いつも節制してるのにいきなりこんなに食べて大丈夫なのか心配になる。まぁ、本人はケロッとしてるしどっちかといえば食べ足りてない感じを出してる。


ほんと大食いすぎ…



結局あたしの完食と大我の完食は同じタイミングで、お昼はご馳走するって言ったのに大我のお陰で無料になったのと、桜井さんがドリンクはサービスするって言ってくれてあたしの出番はなし。



お腹がポンポンになった大我を少しだけ食休みさせて、午後の挨拶に回ってもらった。



午後の挨拶は予定より早く終わって、黄瀬君の事務所に行くまでに時間が少し余ったからインテリアショップに寄ってもらうことにした。


「何買うんだよ」

「抱き枕。この間見て買おうか迷ったんだけどやっぱどうしても欲しいから。機内でも実家でも使いたいの」


少し前に見て買おうか迷った眠そうな顔した犬の抱き枕。
触り心地と弾力がすごくよかったけど、あたしの寝室にはデザインが合ってなくて買うのをやめたけど、手術後は寝っ転がって過ごすことが多いだろうからやっぱり買うことにした。


この間見た売り場に行くとあんまり売れなかったのか値下げされてる。

そう言えば…
フォーシーズンズで売れ残りの抱き枕を自分に例えて勝手に落ち込んで青峰君にかけられた言葉が嬉しくて大泣きしたな…


「これか?」

「うん」

あたしの返事を聞いて大我が残った3匹のうち2匹を掴んだ。
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