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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


side青峰

「出れるか?」

「うん!」


ヒールを履いて立ち上がったみさきとの距離がいつもよりも近くてプルプルした唇に引き寄せられるように唇を近づけた





あと少し









「あ…リップついちゃう」


唇が触れる瞬間みさきの小せぇ声が聞こえて一瞬動きを止めたけど、ここまできて何もしねぇなんて無理



唇に触れねぇように横にキスをした。

今度から唇になんか塗ったくる前にやってやる

なんか…化粧してるみさきってすっげぇそそるんだよな…
いっそのことリップが付く覚悟で唇にキスした方が良かったような気すらしてくる。




昨日は夜で顔色が見えなかったけど、今だってあんな軽いキスで真っ赤になってるのを見ると、昨日もそうだったのかと思えてそのまま抱きしめたくなった。


けどそんなことしてりゃ余計に家から出たくなくなる。
一緒にいてぇのをグッとこらえてみさきを軽く撫でた。




はぁ…夜まで別行動か…


女といてこんな風に感じるのは初めてだった

お互いに生活拠点が違うから普段の生活に戻れば今より全然会えねぇのに、数時間ですら離れてたくねぇなんて俺大丈夫か?


いつから俺はこんなに女々しくなったんだか


「行くぞ」

「ハイ」


まだ顔が赤いみさきと一緒に部屋を出てエレベーターに乗ってエントランスまで降りると、火神が丁度黄瀬と話してた。


「黄瀬お前朝飯は?」

「これからっス。なーに食べよっかなー」

「俺らもこれから食いに行くけど、お前も来るか?」

「いいんスか!?行きたいっス」




火神が黄瀬を勝手に誘ってたから結局4人で朝飯を食うことになってまた昨日と同じ店に入った。


「そう言えば…みさきっち今日夕方うちの事務所来てくれるんスよね? 時間決まってるんスか?」

「社長さんが日中は忙しくて4時過ぎならって言ってたからそれくらいにお伺いします」

「なら俺もそのくらいに事務所行くっス!」



食事を済ませると、黄瀬はマンションまで走って帰るっつーからその場で別れて、俺は火神に家まで送ってもらった。


「また夜な」

「うん。ネロ君にごめんねしてね」


みさきは俺がみさきに付き添うことでネロに寂しい思いをさせるってことをずっと気にしてる。

「分かった」

「じゃあ行くね」
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