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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


キス…しちゃった…


朝目が覚めて明るくなった部屋で隣に寝てる青峰君を見ると、昨日のキスが夢じゃなかったんだって実感する。



どうしよ…
顔合わせるのすっごく恥ずかしい

でも起こさずにベッドからいなくなったらペナルティって言われてるし…


どうしようか考えながら時計を見ると、まだ起きなきゃいけない時間までは余裕がある。


寝たふりしちゃお
そして青峰君が先に起きてベッドから出たらあたしも出よ


さすがに今日は起こすの恥ずかしすぎだもん


いくら寝るのが好きなあたしといえど、朝起きて予定があることを分かっていながら本当に二度寝しちゃうことはない。
時間までに青峰君が起きてくれることを祈りながら青峰君の腕の中でそのまま目を閉じた


あったかくていい匂いで胸板が硬い

最近は腕の手術でトレーニングが思う様にできないって言ってたけど、そんなことを全然感じさせないくらい筋肉質


起きてても寝ててもかっこいい


あたしこんなちんちくりんでなんかホントごめんなさい…
取り敢えず巨乳になるトレーニングとか食事とかはずっと続けてるから、何年後かには結果が出る…はず



たまに何度かこっそり目を開けて時間を確認して、後10分はこうしていることができそうだと思ってまた目を閉じた



……けど


そっと頬に触れる温かくて大きな手


「みさき…」

え?
起こされてる…のかな?


寝起きの擦れた声で優しく小さめにあたしの名前が呼ばれた



「ほんと可愛いな…」

え……?
それってあたしに言ってくれてるの?
それとも飾ってある写真?

自分の事なのか分からないのにどんどん顔が熱を持って赤くなっていく


これじゃ嘘っこ寝入りだってばれちゃう…




ちゅ…

ちゅ…


焦ってるあたしをよそに青峰君はあたしのおでこや頬、鼻にキスをしてくれる



「起きろよ」


無理だよっ‼‼
朝からこんなの聞いてない

何で青峰君ってこんなに甘いの!?
さつきの言ってた朝不機嫌だっていうの、絶対青峰君のことじゃない。

BOSSだけじゃなくてさつきまであたしにガセネタを掴ませるなんて…

どうしよう
表情筋がピクピクしちゃう。




「みさき…」

そんな風に呼ぶのズルい









「本当は起きてんだろ?」


ひぇーーーー‼
バレてるー!!!
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