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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


初めてのキスだった。


鼻が触れたときいつもよりもゆっくりだけど確実に近い距離にいて触れてみたいって思った。

生れて初めて男の人の体温を唇で感じて心臓がすごくドキドキしてるのにギュっと胸が痛くなるほど幸せだった。


青峰君以外だったらきっとこんな至近距離にいられたら怖くて堪らないけど、青峰君だけは最初から一度も怖いと思うことはなかった。


そっと離された唇が寂しくて、もっとしてほしいって思うのに…
恥ずかしすぎて顔を隠したせいか青峰君が心配をしてくれた。

キスしてくれたことが嬉しいって伝えたいのに言葉が出てこなくて、大丈夫だよってことだけは伝えたくて何度も首を縦に振ると、大きなあったかい手があたしの頭をゆっくりと何度も撫でて、何も言わずに強く抱きしめてくれた。



大好き…


付き合ってたった2日なのにもうどうしようもないくらい好きが大きくなって、このままだとあたしはどうなっちゃうのか分からない不安と、今まで感じたことのない高揚感を感じた。


少しずつ気分を落ち着けて顔から手を離すと青峰君が頬を撫でてあたしの左手の薬指のほくろにキスをしてくれた。


ここは誰かに飾られることはないんだって思ってた。
でも今確かに言えることは、もしここが誰かに飾ってもらえるならその相手は青峰君がいい。


付き合ってたった2日なのに、あたしはもうこの人しかいないって言い切れた。
青峰君はきっとすごくモテるしあたしじゃなくても相手はたくさんいるけど、あたしは青峰君に選ばれたいんだってはっきりと感じてる


きっとあたしは猛烈にヤキモチ妬きだと思う。


だって見たこともないのに、今までにこの腕の中に包まれたことのある女の人達のことを考えると…

すごくモヤモヤする

勝手な妄想で勝手にヤキモチを妬くあたしに青峰君が突然海のことを聞き始めた。

「光る海って知ってるか?」

「え…分かんない」

「お前の脚が治ったら行こうぜ。モルディブだからちょっと遠いけど」

モルディブは行きたい国の一つだった。
水上コテージに泊まって、普段は怖い日焼けも気にせずに、お部屋から直接海に入れるホテルでゆっくり過ごすのは夢だった。

いつか絶対に泊まりに行きたいってずっと思ってた
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