第15章 初恋
青峰君のお母さんって本当に気さくで話しやすい。
「青峰君ってネロ君大好きですよね。ネロ君の為に飛行機チャーターしたって聞いてもうびっくりしちゃいました」
「なんか、本当に極端なのよねあの子。好きなことや好きな物への執着って言うか…執念って言うか。バスケもそうなんだけど、アメリカに行きたいが為に寝る時間も遊ぶ時間も削って英語を勉強したり練習したり、いろんな人に自分で色々頼んだりしててね、最初は大反対した主人のこともあの子が実力で認めさせたのよ」
ネロ君の話題からまさかこんなことが聞けるなんて思ってなかった。
英語が一番苦労したって言うのは聞いてたし、NBA行きをお父さんが反対してお母さんが説得してくれたんだと思うって青峰君は言ってたけど実力で認めてもらったんだ。
やっぱり青峰君って…すごくかっこいい。
努力して苦労してってことを全然言わない。
知れば知る程、もっともっと青峰君を好きになっていく。
「青峰君はお母さんが説得してくれたと思うって言ってましたけど、そうじゃないんですね」
「うちの主人は人に説得されて意見を変えるような人間じゃないのよ。自分で認めさせた」
「努力家なんですね」
「努力家…って言うよりは、バスケバカなのよね。でもそれを仕事にしてちゃんと目標のところに自力で辿り着いたことは親としてちょっと自慢かな。まぁ火神君っていういいライバルがいたこともあの子にとって幸運だったんだけどね」
ちょっとなんて言ってるけど、絶対ちょっとじゃない。
どんなに素晴らしい才能も努力には敵わないってあたしは思ってる。
青峰君のバスケを見ると才能の塊なんだって思うけどそれでも常に努力をしてる。
自分の目標を達成するために努力を惜しまずにできる人ってすっごくかっこいいと思う。
もちろん大我も同じ。努力を惜しまないところはすごく尊敬してる
「それは大我も同じです。大我って中学の途中で日本に戻ったんですけど、その時日本のバスケはつまんねーとか言ってなんかやさぐれて…でも高校になって全然敵わない人かいるって聞いたことがあって、それって多分青峰君だと思います。それに今まで一度も1on1で勝ったことないって言ってましたし」
お互いが同じポジションでライバルで、でもすっごくいい関係でたまに二人がちょっと羨ましくなる。