第15章 初恋
side火神
進藤がテレビを付けると黄瀬がDVDを入れっぱなしだったらしく俺たちとストバスチームが試合をした時のが映って進藤とみさきが画面を食い入るように見てる。
黄瀬はあんときの自分をダサいなんて言ってたけど黄瀬はかっこよかった。
青峰のスタミナを持たせる為、チームの勝利の為何の躊躇もなくあの役回りをやってくれた。
全員で掴み取った勝利だった。
あいつらとやって勝ったことをみさきに言いたい気持ちがなかったわけじゃねぇけど、日本であんな目に遭ったみさきに、日本での話題を話すのを俺は意図的に避けてた。
けど、こんなに喜んでんなら俺もこのDVDは持ってたし、シカゴで見せてやりゃよかった。
第2Qを終えたハーフタイムでベンチの俺らが映った時、高尾と若松さんと日向先輩が映ってみさきが高尾の名前を口にした。
ギョッとする俺と青峰に気付きもしない黄瀬は、みさきに高尾と知り合いの理由を聞いてて、俺もまさかこんなことになると思わずに言い訳もできずにいたらみさきが自分から秀徳に行ってたことをあっさりと教えた。
今までなら絶対に言わなかった。
何か少しでも勘付かせたら全てを知られて、そうなれば自分は嫌われる。
自分に非があると思い込むみさきは、何が何でもあの事を隠すために必死になっていた。
青峰に全てを話して受け入れられたことが間違いなくみさきを強くした。
前に俺が黄瀬についた嘘がばれてぶーぶー文句こかれたけどすっとぼけてやった。
「何笑ってんだよ」
「いや?」
気づかねぇうちに口元が緩んでた俺に青峰が眉間に皺を寄せて聞いてくるけど教えてやんねーよ。
お前の存在がみさきを強くしてる。
みさきからそのうち言ってくれんだろ
俺から聞くよりみさきから聞いた方が嬉しいに決まってる
こそこそと何か話してみさきに両側から抱き付く女2人を見ながら4人で笑ってると、赤司と緑間の連携シュートを見て感動してる
「「かっこいいー‼‼‼!」」
「真太郎ってバスケしてると別人みたいにかっこいい‼」
「赤司さんもすっごいかっこいい‼」
「えーでもテツ君が一番かな~♡」
みさきと進藤はちょっと黙れ…
黄瀬と青峰の顔がやべぇ。
多分青峰はマジでキレてる
青峰の嫉妬深さは人知を超えてる
ブチッ…
あ、青峰が消した