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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


広いアウトレットモールまで車で10分。

どんなお店があるのかさつきと美緒と一緒に出発前にパンフレットを見てたから、到着がすっごく楽しみで寝不足なんて全然気にならなかった


隣に座る青峰君のことは相変わらずまともに見れなかったけど…



紫原さんが駐車場に車を停めるとドアを運転席で操作して自動で開けてくれた


「到着だよ~」

「敦ありがとう。これご褒美」

「やった~」

車を降りたところですぐにすみれさんに軽井沢限定のまいう棒をもらってすっごく嬉しそうに食べてる



なんか…

「妖精みたい」

「みさきさん分かるー?敦っておかし食べてるとき天使とか妖精に見えるでしょー?」

「見えます。しかもこの森っぽい場所で食べてるから余計に…」

口に出すつもりはなかったのに思わず本音が口から洩れてしまって、一瞬焦ったけどすみれさんが嬉しそうに共感してくれて、紫原さんをうっとりした顔で見つめてる

二人とも背が高くてモデルさんみたいで本当にお似合い

すみれさんは美人だし紫原さんは何とも言えない独特の色気がある


「これ程菓子代のかかる妖精がいたら困るのだよ」

「もうっ。そんなこと言って」

メガネを上げながらもっともらしいことを真面目に言う真太郎を玲子先生が笑いながらつついてる。

この2人の雰囲気は見るからに知的

頭の良さと育ちの良さが滲み出て、これ以上ないってくらいお似合い。


「食い物取られそうになった時のこいつはとんでもねぇどす黒いオーラ出すぜ。間違っても天使ではねぇな」

青峰君は何を思い出してるのか苦笑いしてる。

「でも今は天使だよ」

紫原さんのすっごく大きな手がすみれさんの頭を撫でて優しい目ですみれさんを見てる


恋愛経験が乏しいあたしでも見てるだけで二人が想いあってるってことが分かる


真太郎と玲子先生もそうだけど、なんかすっごく羨ましい


あたしも青峰君といつかああなれたらいいな…




「行くか?」

「うん」


返事を返したあたしの前に大きな手が差し出されて青峰君を見上げたらすっごく優しい顔と目が合った。

「手」

そっとあたしの手を重ねるときゅっと優しく握ってくれる大きくて温かい手

「脚無理すんなよ」


あたしの歩幅に合わせてくれる青峰君と一緒に先に歩き出した4人の後を追った
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