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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


side青峰

さっきまで絶対ぇ合わなかった下を見たままの視線が少しだけ俺を見てくれて、ウルウルの目と真っ赤な顔が俺を捉えた


可愛い

マジで可愛すぎ


驚かせねぇようにそっと腕を取って引き寄せるとあっという間に俺の胸に収まってぴったりはまった


ギュっと抱きしめたままいると少しだけ腕が回されて俺を抱きしめ返してくれた


「みさき、ありがとな」

「ううん。いいの。いつもいろいろしてもらってるのにこれくらいしかできないんだけど…」


キャップだけの意味じゃねぇ
俺と付き合うって決めてくれたことも、抱きしめ返してくれることも全部すっげぇ嬉しい


みさきは俺を喜ばせる天才




「あとね…」

そう言って俺からそっと離れてもう一つ包みを渡してくれた


「これ、ネロ君に」

「開けていいか?」


犬の絵の描かれた箱を開けると、ネロの名前の入った丸い金のタグが付いたリードの先に着けるチェーンと、それと一緒に着けられる黄色のリボンでそれにもネロの名前が入ってた

「イタリアに入った初日に空港の近くで丁度見つけたお店だったんだけど、名前入れられるって聞いて…ネロ君にどうかなって思ったの」


「すげぇいい。マジでありがとな」


頭を撫でるとホッとしたように俺を見て笑ってくれた。



「本当は大我に渡してもらおうと思ったんだけど、自分で渡せって言われちゃったからみんなよりちょっと遅くなっちゃったけど、よかったら使ってください」

照れた時に出す敬語
下唇を緩くかむ仕草
バサバサ動かされる長いまつげ
赤くなった頬


全部が愛しい


もう一度引き寄せてデコへのキスをすると、さらに真っ赤になって今度は俺の胸に顔を埋めてくれた



俺の初恋はみさき
みさきの初恋は俺

もっと早くこうなれてたらよかったと思うけど、俺たちが高校で知り合わなかったことはきっと何か意味がある

もし高校でみさきと知り合ってたら、みさきを日本に置いてアメリカに行くことは多分考えられなかった

みさきも日本にいたらパットへの弟子入りはなかった


遠回りしねぇことだけが正解なんじゃねぇ
遠回りしたからこそ手に入れられるものがある


遠回りしたからバスケも好きな女も手に入れられた

まだ手に入れられたなんて段階じゃねぇけど、少なくともみさきと一緒にいられるスタート地点には立てた
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