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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


「ねぇ大ちゃんは?」

「寝ているのだよ」

聞こうか聞くまいか迷ってたら、いとも簡単にさつきが聞いて、真太郎がいつもの呆れ顔で教えてくれた。


「みさき起こしてきてくんね?」

「えっ…なっなんであたし?!大我起こしてきてよ」

「ヤダよ。てかあいつ朝めちゃくちゃ機嫌悪りぃから俺が起こしたらケンカになる」

けんかって、子供じゃあるまいし…
しかも青峰君そんな寝起き機嫌悪かったことない。
まぁだいたいあたしの方が寝てるから知らないだけかもしれないけど。


「そうそう。大ちゃんってほんっと朝機嫌悪いよね。みさき起こしてきてよ」

「だから、何であたしなのっ」

「彼女なんだからいいでしょ」

「え!そうなんスか!いつ!?いつからッスか!?」

「あ、やっと付き合ったの~?」

「みさきさんおめでとー」

「黒須さん、青峰君を起こしてあげて下さい」

「黒須さん、すまないが俺たちでは青峰は起こせない。頼めるかな」

「フフフ…みさきさんおめでとう」


美緒が爆弾発言したせいでみんなにバレて口々にあたしが起こしに行くように言ってくる。


恥ずかしすぎ…

起こすのも恥ずかしいけどここにいても恥ずかしい。


「…オコシテキマス」

ロボットのようにカチコチになった表情筋をやっと動かして、それだけ言って速足で広間を出ようとしたら大我に止められた。


「おい…


これなきゃ入れねぇだろ(笑)」


すっごい意地悪そうな顔して笑いながらカードキーを渡された。


ひったくるようにそれを取って、真っ赤な自覚のある顔を下に向けて今度こそ広間を出て青峰君の部屋に向かった。


昨日あの部屋に行く時は処刑台に行くような気分だった。


でも今は違う。

恥ずかしくてどうしようもないのに、心が暖かくてドキドキして…


会いたいって思う。



昨日はチャイムが押せなくてどうしようかと思っていたら勝手に開いた扉。

今日はチャイムを鳴らして反応を待ってみる。


2回鳴らしたけど返事はなくて、預かったカードキーを差し込んで緑のランプがついたのを確認してからそっと部屋に入った。


「しつれーします」
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