第15章 初恋
どうしよう…一睡もできなかった。
泣いて疲れたと思ってたし、さつきと美緒に結構からかわれて、あたしが鈍感とか気づかないなんておかしいとか言われて騒いだのに…
おふとん入って話してるうちに、まずさつきが反応しなくなってそのあとすぐに美緒も反応しなくなった。
でもあたしは一睡もできなかった。
なんか脳がアドレナリン大放出して興奮状態なのか、眠れなくて気づいたら空が白んでる。
お風呂はいろ…
お部屋にある露天風呂で、部屋に入った時に夜星を見ながら入ろうと思っていたけど、入り損ねたから朝焼けを見ながらちょっと温まろ。
バスローブに着替えて外に出るとさすがに寒かったけど、お湯はあったかくて外の冷気とお湯の温度がちょうどよかった。
「あーあ。星もう見えなくなっちゃう」
朝3時とか4時とかでも見える金星がだんだんと見えなくなってそろそろ日が昇る。
日が昇ったら出ることを決めて空を眺めて昨日のことを思い出してた。
甘くて低い声で「好きだ」って言ってくれたとき、全身が痺れて心臓を鷲掴みされたのかと思うくらい胸がギュっとなって嬉しかった
でも苦しかった。
自分をさらけ出すことが怖かった。
最後の最後まで結局あたしは大我に頼って、大我にああやって言ってもらわなかったら、あたしはずっとこのことを後悔したのかもしれない。
「ここで捕まえておかなきゃ一生後悔する」
大我に言われた言葉は多分間違ってない。
あたしよりあたしを理解してていつも本音を引き出してくれる片割れ
そして、全てを話した後にもう一回言ってくれた「好きだ」って言葉を聞いた時、一瞬信じられなかった。
弱いあたしを重いって感じるんじゃないかって思ったから、そう言ってもらえるとは思ってなかった。
正直あたしの何をいいと思ってくれたのか全くわからない。
青峰君は巨乳が好きだって雑誌で答えてたし、あたしを女の人として見てないから一緒に寝てくれてるんだって思ってた。
青峰君はちょっと天邪鬼なとこがあるのかも
頭の中は青峰君でいっぱいで日が昇った後もしばらく湯船に入り続けてた。