第15章 初恋
side火神
みさきが部屋を出て青峰に色々と聞かれたけど青峰はただ興味本位で知りてぇって感じじゃなくてマジでみさきを大事にしたくて知っておきてぇんだって分かったから俺も緑間も聞かれたことはすべて答えた。
そもそも人になんて大して興味を持たなかった青峰がみさきの事となると別人になる。
一目惚れした初恋の女と10年後に知り合ってまたそいつに惚れて相手も自分を好きになってくれたなんて最高だな。
ケッ…
青峰の野郎…
やっぱこいつは持ってる
「そーいや緑間も玲子さんが初めての彼女だろ?その前に好きな女とかいなかったのか?」
「いない。俺は後にも先にも玲子だけだ。玲子以外の女性に惹かれたことなど一度もないのだよ」
こいつら…ほとんど全員初恋の相手捕まえてんのかよ…
黄瀬も彼女はいたけど本気で惚れた最初の女は進藤だし、桃井は言わずもがなだろ、そんでみさきと青峰もそうだし緑間もそう。
黒子も初恋かどうかは分かんねぇけど、彼女はいなかった
紫原はちょっと分かんねぇし赤司は家柄もあって特殊だけど、それぞれにちゃんと相手を大事にしてる。
「玲子サンって…緑間の何がよかったんだろうな。俺が女ならこんな変人マジ無理だけどな」
「貴様…俺が女でも貴様のような男は選ばないのだよ‼みさきがなぜお前のような適当な奴に惚れたのか理解に苦しむのだよ」
「俺はみさきの事だけはテキトーにしねぇんだよ!」
「みさきにふさわしいのはすべてにおいて人事を尽くしている男だ。お前はまだまだ合格点ではない」
「るせー‼みさきが俺でいいっつってんだからいいんだよ!」
「せいぜい振られないように全力で繋ぎとめておくんだな。言っておくがみさきは、男がいなければ生きていけないなどと甘えたことを言う人間ではないのだよ」
「俺がいなきゃダメだと思われるくれぇになってテメーに認めさせてやるからな。覚悟しとけよ」
こいつらバカっぽいわ。
普段落ち着き払った緑間と、クールとか言われてる青峰がガキみてぇにどうでもいいことを言い合ってる。
けど、やっぱ緑間も玲子さんを好きになってからの方が人間らしい。
男の初恋って一生を左右することなのかもしれねぇな