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最愛 【黒子のバスケ】

第15章 初恋


side 火神

みさきは手を強く握りしめて自分が見つけられた時のことを何も言わずに聞いていた。


「そうだったんだね。嫌なことさせてごめんね。でも助けてくれて本当にありがとう。生きててよかったです」

生きててよかった…
この言葉がみさきから聞ける日が来たことはみさきが一つの壁を乗り越えたってことを俺に教えてくれてるようだった


「お前からその言葉が聞けて俺も嬉しいのだよ」

「みさきちゃん。強くなったね」

みさきは途中で泣いちまうのかと思ってた。
最後まで聞けねぇと思ってた。


「火神、お前がバスケ馬鹿なお陰でみさきは生きてんだ。それを覚えとけ」


「青峰…」


ずっとあの日一緒に帰らなかったことを後悔してた。
後悔するなって言われたって無理だった。
俺さえ一緒にいてやればって気持ちはずっと俺の中にあった。


「あたしは大我と帰ってても、そのあと呼ばれたらきっと行ってた。だから違う場所だったらきっと助からなかった。大我が一緒に帰らなかったからあたしは生きてるんだよ。本当にありがとう」



もう本当に後悔すんのはやめる。


「でも、真太郎って何でそんなに色々詳しいの?」

「俺は小学生の時から医者になりたかったのだよ。バスケの合間に医学書を読んでいたしお前にアレルギーがあることは承知していた。お前が転校してくることになって万が一を考えて父にアナフィラキシーの症状やエピペンの使い方を教わっておいたことが役に立ったのだよ」


「中学で訳分かんねぇ本読んでたのバカにして悪かった。感謝してる」


あの青峰が素直に謝って、さらに感謝してるなんて激レアだな…


「青峰君、みさきちゃんのことお願いね」





「多分まだまだ玲子サンに世話になると思うっす。でもこれからは俺がみさきを守ります」


あの青峰がこんなこと言うなんてな…
つーか敬語使えたんだな

でもこいつなら任せられる。
きっとどんなことからもみさきを守って大事にしてくれる。



で、みさきの驚いたようなキョトン顔。


いや、普通好きな男にそれ言われたら感動したりすんじゃねぇの?
あーぁ。青峰お前、大変な女選んだな。


「あの…本当にいっぱいいろいろありがとうございます。脚の手術頑張って戻ってきたらちゃんと恩返しします」


だったら幸せになれ。
この世界中の誰よりも青峰と幸せになれ
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