第2章 知りたい
キーンコーンカーンコーン
終業のチャイムがなり、皆がてんでんばらばらに、帰って行ったり、部活へ行ったりと、忙しそうだった。
「おつかれー、また明日なー」
「おう」
帰りに少しクラスメイトで友人の犬夜と言葉を交わしつつ、俺はすぐに校内を散策し始めた。
同級生なのか先輩なのかすらもわからない。
とりあえず、俺は靴箱で待ってみることにした。
ゾロゾロと人が来るも、あのときの女の子はいないようだった。
「んー…」
どうしようかと唸る。
探さないと見つからないが、見当もつかないので探しようがない。
可能性があるところを全て調べていくしかなかった。
図書館、保健室、 グラウンド、体育館…
部活動を行っている場所もあったので遠くからしか見れないところもあったが、いる気配がなかった。
「はぁ、、、」
もう見つからないのだろう。
そう思って俺はため息をついた。
あと探していないといえば、教室。
教室は、文化部が使っていたり、放課後に残って勉強していたり、補習をしていたり…と、結構、人は残っている。
校舎内を歩き回り、教室を見て回るも、どこにもいなかった。
どこかの部室にいるのだろうか。
だとしたら無断では入りにくい。
そう思いながら廊下を歩いていたときだった。
右から強い風が吹き、俺は思わず左を向く。
するとちょうどそこだけは、窓が開いていた。
美術室、だった。
白いキャンバスに筆を走らせている。
風が髪を揺らす。
首筋を汗が流れる。
それは確かに、あのときの女の子だった。
後ろ姿ではあったものの、俺は確信を持った。
とても集中していて、話しかけてはいけないような気がした。
俺は唾を飲み込んで、その光景をただ見ていた。
すると彼女は筆を置いて、
「どうしたの?」
と声をかけてきたのだった。