第21章 ダイエット
青々と茂る葉が紅葉していく様はとても風情がある。
色とりどりの葉はまるで個性を表しているようで好ましい。
この時期を私は心待ちにしていた。
『秋って涼しくていいよねー。今まで暑くて活動的じゃなかった分まで動きたくなっちゃう。』
緑「さんは何かしたいことあるの?」
『そう言われると特に浮かばないかなぁ……。』
机に頬杖をつきながら窓の外を眺めれば体操服を着た生徒が見えた。
緑「B組の次の授業は体育なんだね。」
私の視線を辿った彼は、今の時期は運動しやすくて助かるよー。と笑みを浮かべている。
『そっか、運動もいいかも。最近身体が重いし。』
緑「定期的に身体動かさないと鈍っちゃうよね。」
『ううん。そう言うことじゃなくて物理的に。』
首を傾げるデク君。
するとふいに彼の肩に手を置いた焦凍は私の平穏な日々をいつも乱す。
轟「緑谷。太ったって意味だ。よく見てみろ、顔が前より丸くなってる。」
ピシッとその場が凍りつく。
もちろん焦凍は個性など使用していない。
緑「とっ、轟君!!」
上「お前っ!!!女子になんてこと言うんだ!!」
八「デリカシーがないですわ!」
教室中からヤジが飛ぶが当の本人はけろっとしている。
事実を述べただけだ、と。
切「まぁ確かに前より肉付いたな!」
上「傷口に塩塗ってんじゃねぇよ!」
切「なんでだ?体重が増えたってことは筋肉が増えたんだろ?」
『ごめん、切島君。付いたのは脂質なんだ。』
切「あ……そうだったのか?………なんか悪ぃ。」