第13章 そこのけ黄色
『デートと言えばスカートだよね。』
姿見の前で最終チェックをしていた。
流行りの膝下丈で薄いピンクのスカートに、歩きやすさを重視して合わせたのは黒いスニーカー。
上はデニムジャケットを羽織って中は白い薄手のニット。
ヘアアレンジは耳郎にやってもらい、化粧も施してある。
可愛いと褒めてもらえるだろうか。
不安に思いつつも待ち合わせ場所である共同スペースへ彼女が足を踏み入れた瞬間、
爆/轟「「どこ行くんだ?」」
ソファーに深く腰をかけ腕組みをする爆豪と轟から声をかけられる。
『上鳴と出かけるの。二人は?一緒なんて珍しいね。』
轟「目的が一緒だっただけだ。」
爆「あぁ。誰が好きで半分野郎なんかといるかよ。」
まじまじとを見る轟。
あまりにも真剣な顔をしている為、彼女は声を掛けるのを躊躇ったがようやく轟が口を開いた。
轟「。可愛いな。」
『えっ。本当に!?ありがとう!』
爆「チッ。」
褒められたことで頬を染める彼女に、思ったことをすんなり言える轟に、言いようの無い苛立ちを感じそれを舌打ちへと昇華させる。
無論その程度では消える筈もなく。
躊躇っていると本日の苛立ちの最要因が現れた。
上「おはよ〜!……ってあれ?お前らが一緒にいるなんてめずらしくね?」
『おはよう。私もそう思ってた。』
上「何なに〜?まさかを見送ろうと鉢合わせた感じ?」
爆「違ぇよ!!!!」
とうとう爆豪は手の平を上に向けバチバチと火花を散らし始めた。
これはマズイと悟ったは機転を利かせる。