第1章 恋煩い
————次の日。
『みんなおはよう。』
葉「おはよー!で?昨日はどうだったの!?」
教室に入り自分の席に着くなり群がる女子達。
『どうって何が?』
芦「帰りのホームルームの後呼び出しされてたじゃん!ねーねー!付き合ったの?付き合ったんでしょー!?」
八「先生と生徒の禁断の恋……、周りがどう思おうと私達は味方ですわ!」
麗「そうやで!お泊まりの時とか言ってな?協力するから!」
私に喋る時間を一切与えてくれないままあれよあれよと話は盛り上がり、どうやらみんなの中で私と相澤先生は一夜にして男女の関係となったようだ。
飯「諸君!!!五分前だ!!席に着きたまえ!!」
飯田君の声掛けで一旦は収まったものの五分後には再び騒がしくなる。
相「委員長、号令。」
飯「起立、気をつけ、礼。」
一同「おはようございます。」
飯「着席。」
相「はい、みんなおはよう。今日は五限目に火災訓練が入っている。昼休みが終わったら教室で待機だ。分かったな?」
他に連絡事項を告げた先生は最後に何か質問はあるか?と締める。
いつもならみな首を横に振るが、今日は違った。
芦「はい!!」
元気よく手を挙げた芦戸ちゃんに引き続き女子が数名手を挙げた。
相「何だ?ちなみにプライベートのことなら答えんぞ。」
芦「えぇーっ!!減るもんじゃないしいいじゃん!」
八「ですがその言い方は事実のように思えますわ。」
轟「生徒に手を出すのは犯罪じゃないんですか?」
ボソッと呟いた百の言葉を聞き逃さなかったのは意外にも轟君。
立ち上がった彼は真っ直ぐに相澤先生を見ていた。
相「犯罪に引っかかるようなことはしていない。なぁ、?」
『………え?あ、はい。』
何故このタイミングで私に振るのか。
そもそも先生が否定してくれればそれで解決する話なのだ。
否定することが合理的ではないとしたら……
END