第13章 そこのけ黄色
そして時は流れ就寝前。
共同スペースのソファで二人は計画を立てているのだが、
『んー、行きたい所って言われてもなぁ……。』
上「じゃあ遊園地にするか?」
『ベタだ(笑)』
上「デートなんだからベタでもいーだろ!」
『最後は夕焼けをバックに観覧車?』
上「ぐっ……!」
平行線な話し合い。
このままいけば折角のデートが白紙に戻ってしまう。
それだけは避けたい上鳴は必死だった。
上「じゃあショッピングデートは!?」
『買いたいものあるの?』
上「いや、無いけど………。水族館にするか!?」
『ここからだと結構かかるねー。』
上「うぐっ……!」
『あははは!本当に上鳴と出掛けたいんだから安心してよ。それに遊園地もショッピングも水族館も、否定してないよ?』
心中を見透かされた上鳴。
どぎまぎしながらも彼女の発言を思い返す。
確かに茶化され、目的の物があるのか聞かれただけだ。
水族館も結構かかるからと時間の計算でもしていたのか。
上「お前、いい奴じゃんかよ…。」
『……ん?今まで私を何だと思ってたの?』
上「台風の目。」
『何それ(笑)』
まさにこの表現がピッタリなのだ。
を巡りクラス一、二位を争うイケメンとその他大勢(自分も含め)。
なのに当人はつゆ知らずときたもんだ。
上「誰が聞いても納得してくれると思うぜ?」
『私そんなに周りに被害を与えてる!?』
彼女の肩にそっと手を置き首を縦に振った。