第11章 年越し蕎麦
あと数日で一年の終わりを迎える頃。
共同スペースのコタツでだらけている私と焦凍。
と、お行儀よくしている百ちゃん。
『焦凍って年越し蕎麦はどうしてるの?』
轟「茹でて食うぞ。」
八「こだわりのお店などございますの?」
轟「あぁ。」
『私も食べたい。』
八「わたくしも食べてみたいですわ。」
轟「いいぞ。」
ひょんな会話から轟君お手製の年越しそばを振舞ってもらえることになったのだが……。
『で、結局こうなるのね。』
大晦日当日。
食べたいと思ったのはみんなも同じらしい。
蕎麦を食べているとわらわらと集まってきたクラスメイト。
気付けばいつのまにか全員集合していた。
切「だって蕎麦通の蕎麦だぜ!?気になるだろ。」
麗「でもほんまに美味しいねぇ。」
芦「えへへ、幸せそうな顔してるー。」
轟「喜んでもらえたなら俺も嬉しいぞ。」
ほのぼのと味を堪能していると視界に入った人物がいた。
『蕎麦と睨めっこしてる内に伸びちゃうよ。』
爆「半分野郎が作ったんだろ。しかも辛くねぇ。」
『そう言うと思って勝己の分は私が作った。一口味わってから七味入れて。』
不貞腐れた顔をしながらも残すのはもったいねぇ。と口に運んだ。
その瞬間、あり得ない量の七味をかけ出した。
『えっ、ちょっ、かけすぎ!!』
爆「てめぇの言う通りしてやっただろうが!」
上「諦めろ…。こいつはこういう奴だ。」
爆「アホ面ぁ、それどういう意味だァ?」
折角焦凍が振舞ってくれたのだから全員に味わってもらいたい。
私の願いは彼にも通じたようだ。
そしてもう一人にも。