第10章 クリスマス②
爆『こっちも見ろや。』
「だって景色見に来たんだよね?」
爆「チッ。」
舌打ちをした爆豪はの頬に手を添え引き寄せられるように唇を重ねた。
何度も何度も。
『ちょっ……ん…待っ……て!』
爆「待たねぇ。こちとらずっと我慢してんだよ。」
彼女の制止も聞かず気付けば舌まで入ってくる始末。
驚きつつもそれを受け入れた。
爆「……っはぁ、随分溶けてんな。」
『ば、爆豪のせいだよ。』
爆「違ぇだろ。」
『?』
爆「名前で呼べや。」
『勝己……。』
爆「おう。褒美くれてやる。」
先ほどのものとは違い、チュッと愛おしそうに口付けた。
『じゃあ私からもお返し。』
ガサゴソと鞄の中を漁るとオレンジ色の袋を爆豪に渡す。
爆「あ"?キスじゃねぇんか?」
『ちっ、違う!!いいから開けてみて!』
大人しく渡されたものを開けると中から出てきたのは真紅色のマフラーだった。
『勝己マフラーしてないから、持ってないのかと思ったんだけど……。』
眉を下げた彼女に、爆豪は自身の鞄から袋を取り出しぶっきらぼうに差し出した。
『開けても?』
爆「あぁ。」
丁寧に施されたラッピングを開けば出て来たのは真紅色の手袋。
『え、これ………。同じ色だ。』
爆「理由も一緒だ。お前手袋持ってねーだろ。」
『うん。持ってない。よく見てるね。』
爆「人のこと言えっかよ。」
しばらくして帰路に着く二人。
会話こそないものの仲睦まじそうに手を繋いでいた。
もちろん真紅色の手袋とマフラーも一緒に。
END