第8章 境界線はどこから?
轟「どっちがいい?」
『うん。まず選択肢を教えてもらっていいかな?』
帰りのHR終了後、一緒に寮まで帰っていた彼との道中。
第一声がこれだった。
轟「俺の部屋かの部屋か。」
『えっと、それは何の選択肢?』
轟「今日寝る部屋だ。」
ここでやっと話が繋がる。
以前、一緒に寝るという約束をしたのだ。
…………待てよ?
した記憶が無い。
『ちなみに私一緒に寝るとは言ってないよね?』
轟「いや、言った。」
真っ直ぐに見つめてくる瞳に嘘偽りはないように思えるがダウト。
私は一人で寝たいからとみんなの前で断っている。
『焦凍。嘘はよくない。』
轟「悪ぃ。と寝たくてつい……。」
シュンと反省している彼を見て今回だけと思ってしまう私は大変甘い。
『焦凍の部屋ね。』
轟「ッ!?………いいのか?」
『うん。畳の部屋で寝てみたいし。』
轟「昨日布団干しといて正解だったな(ボソッ」