第7章 やがて実となれ
幸せなひと時を終えた緑谷は一転、重過ぎるものを身に抱えていた。
と寮へ辿り着いた時間は夜の7時。
大多数の人が夕食をとる時間ということもあり帰宅した二人の姿は必然と人目につく。
上「あれっ?もしかしてもしかする感じー?」
峰「緑谷………お前だけは信じていたのによォォォォ!!」
緑谷は身の保身の為、わらわらと群がってくる同級生に必死に弁解を試みた。
緑「ちっ、違うよ!たまたま用事が重なっただけで……。」
『えっ。さっきはデートって言ってくれたのに…。あれは嘘だったの?』
緑「ちょっとさん!?」
そんな彼の心も知れず揶揄うのは男女問わず人気の彼女。
緑谷も例にもれなく惹かれていた。
そしてこちらももれなく訪れた事情聴取の時間。
緑谷は男子に、彼女は女子に囲まれている。
麗「ちゃんはデク君に落ち着いたんやね!」
芦「てっきりうちは爆豪かと思ってたよー。」
八「あら、私は轟さんかと。」
『あはははー。』
耳「で、結局どういう経緯なわけ?」
八「そう!重要なのはそこですわ!」
グイグイ来る女子たちに本当に用事が重なっただけなのだと彼女が説明をすればあからさまに落胆していた。