第4章 顔を制する者は世の中を制する
『はぁ……。』
爆「チッ…。」
溜息が溢れるたびに皆はピクリと身体を揺らす。
それほど怒らせてはいけない二人を怒らせた罪は重かった。
轟「お前らどうしたんだ?」
全く訳が分からないといった様子で尋ねた彼に周りは慌てふためく。
『轟君、おはよう。聞いてくれるー?私達の遅刻の理由を!』
轟「?……あぁ。」
何故わざと周囲に聞こえるほどの大きな声で話すのか。
疑問に思った轟だがとりあえず話を聞いてみることにした。
『まぁ理由は単なる寝坊なんだけどさ、私達共同スペースで寝てたんだよ。登校前のみんなが通る所、ね。誰か一人くらい起こしてくれてもいいと思わない?』
爆「チッ。写真撮ってる暇があったら起こせや!!!」
梅「ごめんなさいね。幸せそうだったからもう少し寝かせてあげようと思ったの。」
耳「あたしもごめん。最後をこいつらに任せたらのが間違いだったわ。」
『ううん、梅雨ちゃんと耳郎ちゃんは謝らなくていいの!問題は最後まで残ってたのにも関わらず見捨てた上鳴君と三奈ちゃんだよ。』
射るようにそちらを見るとヒッと悲鳴を上げる二人。
先ほどから教室の隅でお経のように物々と謝罪をしている。