第3章 温もり効果
パチッ
効果音を付けるならばまさにこんな感じ。
ベッドに横たわったまま周囲を見渡すが、まぁ何も見える訳がない。
電気は全て消して寝る派。
枕元に置いているスマホを手探りで探し当てボタンを押す。
————AM.3:24
今は木枯らしが吹く季節。
夜明けは随分と先だ。
もう一眠りしようかと思ったが妙に目が冴えていることに気付き、のそのそと起き上がった。
部屋着のまま寮の共同スペースへ向かう。
何となく、誰かと過ごしたいと思っただけ。
階段を降りたが誰も居ない。
さすがにこんな時間に起きている人は居ないか、と苦笑しソファーに座れば背もたれに掛かっているブランケットに目が付く。
近くにあったほんのり甘い香りのする誰かのそれを借りて暖をとることにした。