第4章 性的趣向
八月。
ユリアの学校は田舎の学校で、体育で水泳の授業がある。
今のご時世に目隠しのないプールなんて有り得ないかもしれないが、目隠しは無い。多分、田舎あるあるだ。多分。
そんなプールの授業で友人と話しながらプールサイドを歩いていた時だった。
あの男に出会ったのは。
太陽の光がキラキラと反射しているかと思えば、この辺りでは見たことの無い金髪の外国人の男が・・・
口角を上げてこちらを見ていたのだ。
「(キモっ・・・、怖・・・!?)」
声が出せずに知らん振りをして通り過ぎたが、少し身震いをした。
だが、その恐怖の感情と合わせて、何か不思議な感情が顔を出した。よく分からない感情で、モヤモヤする。
その日の放課後。
「(まだ居る・・・)」
プールの補習に出る為にプールへやってきたユリアは即座に気が付いた。
「金髪まだいる・・・こわ・・・」
なんだか、見られている・・・
「カルデリアさん?どうしたの?」
「あ、いや・・・なんでもないです」
金髪が気になるが、周りの者も気にはとめずに通り過ぎている。
「(もしかして私だけ見えてんの・・・?気持ち悪っ・・・)」
ユリアはシャワーを浴びてスイミングキャップを被り、入水した。
補習はプールの授業を休んだ回数×プールを往復3というもの。歩いてもいいし、泳いでもいい。とても楽だ。
ユリアが補習をしていると、後から後から補習の生徒が来る。女子の割合が高い。その理由は言わずもがなだが、月経のあるせいで休む回数は男子より多い。
全員が女子。自分含めて7名程度だろうか。
早めに補習に入ったユリアが一番に補習を終えた。
プールサイドを歩き、シャワー室へ向かう。
すると、金髪はもう居らず、一安心してシャワーを浴び、部活に向かった。