第19章 林檎が落ちた
エルヴィンが口に指を突っ込んで舌を撫でる。
「舌を出して」
言われた通りに出すと、その舌の先端を舐め始めた。
上顎も、歯も、上唇も余すこと無く舐め取られて、おまけに乳首の周りを指がくるくると這い回り、ユリアは脳が溶けるような気分になる。
「キスだけでドロドロだな」
「だ、って……お父さんが……エロすぎて……」
「もう40だぞ?それなりに経験してる」
分かっていることというだけあって、胸が痛くなった。
その胸の痛みをそのままで、エルヴィンにキスをしようとするがエルヴィンが引いて叶わなかった。
「あ……」
「ダメだ、お前の意思でキスさせたらお仕置きにならないだろう」
キュ、と乳首が摘まれる。待ちに待った刺激に寂しがる犬のような声が鼻から漏れた。
「ちゃんと“ごめんなさい”出来るまでは、自由はないからな」
きっと、最近の素行の話……だけではない。動画の話もしているはずだ。父は、エルヴィンはそういう男だ。
エルヴィンが再びキスをしてきた、長く唾液を絡め合う。ああ、頭がバカになりそうだ。
もっと深く、違うものが欲しい、もっと欲しい、もっと感じたい。
「お、父さん、もっと……違うの……」
「違うの?物ははっきり言えと教えているだろう?」
焦れったくなり、足を擦り合わせる。内ももや尻がヌルヌルする。
「お願い、違うの欲しい……」
「そうじゃない。先に言うべき事があるんじゃないか?全て言わなきゃ分からない子だったかお前は」
耳に唇が這わされて、愛撫する。
言うのか?バレているし、隠し通すなんて無理だ。
画面にいた女は確実に……
「へ、やぁ……おとうさ、の、部屋……で、えっちな、ことぉ……した、ごめ、なさっ……ごめんなさ……いぃ」
謝る間も愛撫は止まらずに続けられた。
すると、鼓膜さえも愛撫されるような甘い声が届いた。
「アレ、お前だったのか?父さんが聞きたかったのは安売りした件の謝罪だったんだがな……、いつからそんなに厭らしい子になったんだ?」
ぐり、と足に硬いものが押し付けられた。
じわりと下腹部が期待する。
「もう一度、いい子になるまで教育し直さなければ」