第18章 懺 悔
街の外れの小さな教会。
この街は寂れていて、いつも暗い。ユリアがそう感じ始めたのはとある出来事から。
ユリアは教会の扉の前に立ち、重い扉を開いて中に足を踏み入れた。
壁沿いに歩き、右手側にある部屋に入ると左手側の壁には神父が後で入る部屋と入って目の前にも扉があり、その扉を入れば小さな椅子があった。ユリアはその椅子に壁側を向いて座り、手元に視線を落として神父を待った。
目の前の壁は木で細い網のような格子がはめられている。
ここは告解室。いわゆる“懺悔”をする場所。
どうしようもない悩みや、一年で犯してしまった罪、そして、一人では抱えきれない自らの罪を告白する為の場所。
ユリアもその自らの罪を今日、ここで告白する。
待っていると壁の向こう側の扉が開き、少し物音がして、木の格子がずらされた。
「回心を呼びかけておられる神の声に心を開き、神のいつくしみに信頼して、あなたの罪を告白してください」
その言葉から始まり、ユリアは目の前の小さな机のようになった出っ張りに肘を置き、手を重ね組んで、語り始めた。
「……告白します。あれは……一年前の今日のことでした」