第15章 消失
あれからさらに五年の月日が流れた。家庭内は平和、を装って、一人の女を巡る戦いが毎日行われている。
今年、俺は45歳。ユリアは44歳。エルヴィンは20歳。リヴァイは4歳だ。
45歳と20歳と4歳が、寝る時に44歳の女の隣を争うし(エルヴィンに至ってはアウトだと思う)、風呂に入る際に45歳と4歳が争う。
4歳になったリヴァイは、まさに前世のリヴァイそのものだ。言葉遣いは粗暴だが家族、友人には優しい。
そう、リヴァイだ。性格なんかの話ではなく、前世のリヴァイの記憶がある4歳児リヴァイ。
ちなみに前世のリヴァイもユリアに片想いをしていた。
4歳なのをいい事に乳は揉むしキスもする。正直エルヴィンより手強いし、狡賢いし、あざとい。
ユリアはというと愛する家族にデレてばかりで事の重大さに全く気が付く様子もない。やはり前世の話をすべきだった。20年前に!!
「母さん、いっしょ風呂入ろ」
「ん、いいよ」
何?俺でさえ最近一緒に入れていないのに。それはエルヴィンも考えていたのか、大の男二人がこぞって「いや、リヴァイは俺と入ろう」と言った。
「あ?」とガンを飛ばすリヴァイに笑ってユリアは
「じゃあ、四人みんなで入る?」
と冗談っぽく言ってきた。
全員で即座に「いや!それは駄目だ(理性的な問題で)」と断ったが。
結局、リヴァイとエルヴィンは風呂に。その間イチャつこうとしたが先に洗ってもらったリヴァイが上がってきて不完全燃焼で終わった。
「ミケお前、ヤってねえだろうな」
「お前、仮にも子供なんだからな……」
「お前に猫かぶる意味はねぇ」
リヴァイは着替えてすぐ様ユリアにしがみついていた。