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エルヴィン裏作品集

第1章 秘事は睫



「カルデリア、一週間後に貴族家のブリッツ・アルブレヒト公爵の誕生祝賀会が執り行われる。公爵の護衛と祝賀会の警備の任務をお前に一任する。頼めるか」


ナイルに呼び出されたユリアは、書類を手渡されながら頷いた。頼めるか、と言われたがユリアは断る理由もない。そして、ナイルも部下達の怠慢を知っている為かユリアにこうして頼んでいる。

その無能な上司達は酒を飲み遊ぶばかりで全くその地位を譲る気は無いようだが、功績と任務に対する姿勢のお陰でこうしてナイルに頼られる存在になっていた。

「承知致しました」

「はあ・・・助かるよ。お前だけが頼りだ」

そう言うナイルはユリアの肩を軽く叩いた後、自分の肩を回して机に向かって行き、席に着いた。

頭を下げて部屋を後にしようとすると、ナイルがユリアを引き止めた。

「何か?」

「今回だが、来賓に調査兵団の団長も招待されている。同じ日が誕生日という事だがこのご時世、団長の命を狙う輩も居るからな。奴の事だ、心配は要らないとは思うが念の為に護衛、警戒をしてくれ」

「はい」



ユリアは返事をして師団長室を後にした。



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