第9章 夫婦の在り方
ーーーユリアとエルヴィンの住む部屋。
スマートフォンの着信音が鳴り響く。
その音とは別に、ベッドが軋む音と男女の営む声がひたすら聞こえる。
リビングのテーブルには出前を取った時に貰えるチラシが何枚も置かれ、洗濯前の衣服を入れるカゴには昨日着ていたエルヴィンのスーツが無造作に入れられたまま。
暫く鳴っていたスマートフォンが静かになると、ベッドの軋む音と肌のぶつかり合う音が一層激しくなる。
「他の男は……そんなに、良かったか」
「んっあ"、はっ、いっ、」
「奴に随分、素直に……育てられたんだな」
「ごめ、なさっ……あぁあっ!!待っ……える……激し……い"っ」
昨日自分が縛られていた縄でユリアを縛り、トイレと食事、風呂以外は一切の行動を制限している。
リヴァイは家に来ることも無く、ユリアによれば、“選択”から一週間以内にリヴァイは姿を消す契約をしているらしい。
「エルヴィンっ……エルヴィン……、あ"……はっ、おっ、き……」
「っ、ふ、俺と……俺と奴、どっちがいい」
あの質問。ユリアの膣がエルヴィンを更に締め付けた。
「な……い、しょ……」
そう言ったユリア。エルヴィンは心臓が握られるような感覚を覚えた。ユリアの優しく、しかし意味を含む表情でまた射精感を覚える。
散々、嫉妬と愛しさの合わさった印をユリアの身体に刻み込んでいるエルヴィン。ユリアの肩に噛み付き、肉を引きちぎる勢いで噛み付いたまま腰を打ち付けるとユリアは絶頂を迎え、エルヴィンもほぼ同時に達した。
避妊具を纏わぬ生身のモノからエルヴィンの、ユリアを拘束する術の中で最も強力なものが子宮へと大量に流し込まれた。
「……ユリアは……俺の女だ。これから先覚悟しろ、俺無しでは生きられないようにしてやる」
ユリアの体内に挿れたままのモノを、ユリアがギュッと締め付けた。
「っ……ん、はい……、」
「ユリア、愛してる。……愛してる」
「私も、愛してる、エルヴィン」
再び鳴り始めたスマートフォン。
その着信音をユリアにキスしながら止め、抜く事無く再び腰を揺らし始めた。
-第13章 END-