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エルヴィン裏作品集

第9章 夫婦の在り方



ユリアは専業主婦であり、エルヴィンとの結婚生活は今年で7年目に突入する。

エルヴィンもそれなりに功績を残し、今では務める会社の管理職。そのお陰で、都内のタワーマンションで暮らし、おまけに専業主婦までやっているのだから彼に対しては感謝と尊敬しかない。何不自由無い生活。ただひとつ、不満を除いては。

彼とはもう、二年も夫婦生活がない。
つまり、セックスレスなのだ。

二人に子供はいない。余裕がでるまでは子供は作らない、と新婚の時、エルヴィンが言ったから。
とっくに余裕は出来ている。家計の全てを任されているユリアはそれを把握している。子供は正直……欲しい。周りの友人達はユリアに遅れて結婚したがユリアより先に子供が産まれ、Twitterで「○ヶ月!」といった感じで毎月記念写真を撮っては載せている。

羨ましい。旦那の愚痴ばかり言っていた彼女達は、家計が少し苦しいと言っていたが確かに幸せそうだ。

自分は毎日同じ日、毎晩切ない気持ちで旦那の帰りを待ち、食事を出し、向けられた背中に「おやすみ」と言って眠りにつく日々を過ごしている。

こうして、昼顔妻が生まれるんだな、とユリアは納得した。


ある晩、エルヴィンが忘年会に参加し、今晩はホテルに泊まるとのことでユリアはある場所に来ていた。





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