第7章 思い出の中の彼
「静司ばかり余裕でむかつく」
というと
「おやそんなことを思っていたのですか? 残念ながら余裕ではありませんよ。いつもに翻弄されてばかりなのに気付いていないのであれば男としては嬉しい限りですが」
といい私の手を自身の胸に当てる静司
首をかしげ
「ほら。ね?」
といい目線で鼓動が早くなっているでしょう?
と訴えかけてくる
なんとなく恥ずかしくなって手を引こうとするとギュッと握り締められる手
引くにも引けず離してと伝えると
「困った顔が見たくて...よく会いに行ってはちょっかいをかけてしまいましたね 丁度今みたいに」
そういい頬に手を伸ばしてくる静司
愛おしそうなそんな顔をしながら見つめてくる静司に恥ずかしくて顔を逸らす
「 目をそらさないで こちらを見てください」
そう優しい声で促されおずおずと顔を戻す
再び顔を見つめ羞恥からキュッと唇を噛み締めると指ですっと口をなぞる静司
「いけません 傷がつく。ほら、大丈夫。私は何もしませんから だから安心して ね?」