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ヒプマイに溺れる【短編集】

第11章 男の勝負【入間銃兎】


「ただいま〜」

「おかえりなさい」

「じゅーと、今日は早いんだね」

仕事が忙しい銃兎は私が起きてる時間に帰って来ているのは結構珍しい

「ええ、たまには起きている貴方に会いたいですからね。ご飯できてますよ」

「えへへ、わーい!銃兎の作るご飯大好き〜」

「喜んでもらえて嬉しいですよ」

玄関からリビングに入り手を洗い自分の席に座る
銃兎は私の前にビーフシチューの入った皿を置いて自分も座った

「それにしても今日は随分と荷物が多いですね」

いつもリュック1つで学校に通っている私だが今日は手提げ鞄付きだ

「あー、バレンタインのお返しだって、明日は学校ないからちょっと早いけどってくれた。こっちはチロルチョコしかあげてないんだけどね。。おいし〜」

私は適当に話しながら美味しい美味しいビーフシチューを頬張る

「そーですか」

「食べたいのあったら食べよー?なんか結構美味しいらしい」

「では、食後のデザートにしましょう」

「うん!!」


「ごちそーさまでした!洗い物は私がやるね」

「ありがとう」

私はお皿を洗い自分のココアと銃兎のコーヒーを持ってさっきと同じように座る

「多いですね」

鞄を雑にひっくり返すと貰ったものが机の上に広がる

「これ、美味しそう。銃兎何がいい?」

赤いリボンの着いた透明の箱から見えるカラフルなマカロンを手に取る

「石波は何がいいですか」

「えっとね、、、チョコ!」

「では、ストロベリーで」

「はい、ん美味しいね、あーん」

「ん。美味しですね、こっちもどうぞ」

「あーん、美味しい!」

「...石波はお返しの意味について考えた事はありますか」

「?無いけど、どーしたの?」

寂しそうな表情で聞いてくる銃兎に疑問を持ちつつも最後の一口を食べる

「いえ、なんでもないんです。お風呂入ってきたらどうですか、温かいですよ」

「そーしようかな、また後で食べよう」

私はお風呂に浸かり疲れをとる
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