第3章 戯れ【有栖川帝統】
ピンポーン
月末夜深すぎ今日も鈴が鳴る
「はーい」
「よっ!金なくなった泊めて!」
手を前で合わせお願いのポーズをとる帝統
「上がれば?」
「サンキュー!」
月末ギャンブルで金が無くなると必ず泊まりに来るようになったこいつとはもう2年の付き合いだ
部屋に上がると冷蔵庫からビールを取り出しテーブルの上に置く
「お前いつもの「彼氏いるからだめー!」って言わないんだな、別れたか?」
「別れましたよ。」
「え!?なんで?」
キョトンと頭の上に?を浮かべる
「泊まりに来るなって言ってるのに来るからだろ!
この前泊まった時お前が上着置いってせいで浮気だ浮気だって散々騒がれて別れたんだよ」
「あ~そーだったの?なんか悪ぃな」
少しも反省してない様子でビール缶に口をつけた
「まっ、理由はそれだけじゃないけどな」
「ふ~ん、、他にはなんだよ?」
「「胸でかいだけで色気ないし、俺いなくても一人で大丈夫そうだしさ守ってあげたい感ないんだよね」って言われた」
「は?」
グビグビと飲んでいたビール缶を口から離しテーブルに置いた
「ほら、私地味に身長高いじゃん?格好だってズボンばっかだしさ、基本1人が好きだし両親忙しくて家の事はなんでも出来たし弟の面倒みるのでしっかりしなきゃって思ってたし
男子が好きな守ってあげたい女子ではないよね~」
口で言うほど帝統のこと怒ってないし寧ろ別れて清々しく感じてるくらい
ただ愚痴を聞いて欲しくて並べた言葉。なのに返ってきた言葉は予想を上回った