第12章 お 見 舞 い
『ら、乱数くん…?』
抱きついてきた乱数くんの髪をそっと撫でれば、ムスッとしたような顔で私を見上げてくる。
乱数「…オネーサンはさ、左馬刻と付き合ってるの?」
『………はい…!?』
何を言い出すのかと思えば、私と左馬刻さんが付き合っているのかという話題。
どこからそんな話題が出てくるんだろう……
『あの、乱数くん?なんでそうゆうことになるのかな…?』
乱数「だって…あの左馬刻がすごくオネーサンのことを大事そうにしてたから…それにオネーサン家の合鍵持ってたよ?」
『………合鍵?』
合鍵とは?なんの事?私左馬刻さんに合鍵なんて渡してないけど……
『合鍵なんて誰にも渡してないよ?』
乱数「うっそだー!確かに持ってたよ?いいなぁ、僕にも合鍵ちょーだいよ…オネーサンが困った時はいつでも助けに来るからさ!」
『いや、だから合鍵なんて渡してないってば…!』
乱数くんの話が理解できない…
後で直接左馬刻さんに聞いてみよ…
乱数「ま、それはいいとして…左馬刻とオネーサンは付き合ってるの?」
『それは誤解だよ…!左馬刻さんは…困った時に助けてくれるお兄ちゃんみたいなものかな?』
乱数「ふーん、お兄ちゃんねぇ……」
何か煮え切らない乱数くんについ苦笑いを浮かべる。
私と左馬刻さんが付き合うとかないでしょ…
だって左馬刻さんはイケメンだし強いしモテるし…困った時助けてくれるし…ちょっと口は悪いけど本当は優しいし……
そんな人が私と釣り合うわけないし、左馬刻さんにだって選ぶ権利あるし。
てゆうか、私と付き合ってるとか勘違いされて申し訳ない…ごめんね左馬刻さん…!
私は左馬刻さんに心の中で謝った。
すると乱数くんは私の顔に自分の顔を近付けてきた。