第2章 私の先輩が汚されてしまいます!
パードゥン?(もう1回言ってもらえますか?)
伊豆?
いま先輩、伊豆って言いました?
ご存知でない方に説明いたしますと、部活見学の時、私の脚に大アザを作り上げた特大ホームランを放ったのが、誰あろう、男子野球部の伊豆先輩であります。
伊豆先輩は男子野球部のエースです(女子のエースは我らが桃浜先輩ですよ♡)。
私はアザの恨みはありましたけれど、まあ伊豆先輩も悪気があったわけではないですし、そもそもどうでもよかったので、伊豆先輩のことは大してなんとも思っていませんでした。
でもあの、あなた、伊豆先輩なんですか?
いま桃浜先輩を抱き抱えてエッチなことしてるの、伊豆先輩なんですか???
私は目を皿のようにして中の様子をうかがいました。た、確かにあれは伊豆先輩です。桃浜先輩しか眼中になかったので気づきませんでした。
そして気づいてしまうと、私の中でメラメラ嫉妬の炎が燃え上がりました。だって伊豆先輩と桃浜先輩、全然そんな関係じゃなかったじゃないですか!
伊豆先輩は運動もできるし頭もよいので女子からモテるのです。でも彼は野球一筋で、女の子のお誘いは全部断るのだそうです。
桃浜先輩は桃浜先輩で、好きな異性はいないと言っていました。夏の合宿の時にしつこく聞き出したので間違いないと思います。
それなのに、その2人が今私の目の前で乳繰り合っています。どゆこと?