• テキストサイズ

小鹿の隠れ家

第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)


今日は休暇明け二日目である。まだ審神者としてのお披露目をしていない佳乃子はこんのすけから他の刀剣男子たちへの指示を伝達して貰っていた。
新しい審神者が赴任していないと思っている刀剣男子たちに、遠征や出陣、演練の指示は出せないので内番の割振りと掃除等の前任の審神者が疎かにしてしまった部分の仕事をこなすことになっている。
名目は、新しく赴任してくる審神者の為というものだが、審神者に不信感を持ってしまった刀剣男子たちはこんのすけからの頼みでも内番以外は少々渋っていたのは光忠だけが知っていることである。
食事の準備は歌仙なども手伝おうかと言っていたのだが、佳乃子がやりたがっていたこともあり丁重に断って光忠が一人で引き受けたことになっている。
実際はこうして佳乃子が一緒に来ては手伝ってくれているので、一人で作るよりもずっと楽をしているのだが……。さらには、佳乃子は厨での切り盛りを実家で度々やっていたようで、光忠が何か言う前に作業の先を読んで準備していたりするので光忠はかなり助かっていた。
料理が全て出来上がる頃、佳乃子は一足先に厨を出て自室へと逃げ帰っていくのは相変わらずだ。光忠は佳乃子が逃げ出して数分で押しかけてくる刀剣男子たちに応対しながら昼餉の後かたづけまで済ませて厨を出る。
佳乃子の自室近くまで向かった光忠は、その手前にある縁側で子虎5頭と戯れている佳乃子が居た。

「主、何をしてるんだい?」
「光忠様! えっと、虎さんたちの毛づくろいを……あと、お腹に顔をもふもふさせて貰ってました」

近づくと、ぱっと顔を上げた佳乃子が光忠の姿を認めてホッとした様に身体の力を抜いた。光忠が何をしているのか尋ねれば、少し恥ずかしそうにしながら何をしていたか返事が返ってくる。
光忠は野良猫を手懐けたような達成感を感じながらその返答になるほど、と頷く。佳乃子の手には獣毛を使っているらしい櫛が握られ、一頭が佳乃子の膝上でお腹を出して寝そべっている。他の四頭も個々に佳乃子の周りに侍って見たことがないほどだらしなく伸びている。
佳乃子は膝上の子虎がぐるりと喉を鳴らして毛を梳くのを催促したので、また視線を手元に戻して毛づくろいを再開する。
/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp