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小鹿の隠れ家

第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)


「光忠! どこにいっていたんだ」
「大倶利伽羅か、ちょっと散歩だよ。どうしたんだい?」
「いや、長谷部がお前を探していたから」
「あ、そうなんだ。直ぐ行くよ、囲炉裏部屋に居るのかな?」
「ああ、俺は先に行ってる」
「うん」

大きな声がはっきり聞こえるようになると自分の名前だったことに目を瞬かせ、光忠はその声の主を待った。
角から現れたのは予想通り大倶利伽羅で自分の姿を見てホッとしたような表情になったことに首を傾げながら用件を尋ね、返ってきた用件に僅かばかり眉をひそめる。
光忠としてはこのまま佳乃子と共に厨に行って料理をしたいと思うのだが、放っておけば時間的に厨に乗り込んでくることは想像に難くない。
直ぐに行くと応えれば、眉をひそめたのを用件がまだあると捉えたらしい大倶利伽羅にそれを終わらせてから来いという風な言葉を返されて曖昧に頷いた。
ひそめた理由は違うもののそれに乗った方が簡単だと大倶利伽羅を見送る。きっと彼のことだ、慣れ合いなどしないと言いながらも長谷部に用事を済ませてから来ると伝言しに行くのだろう。
大倶利伽羅の姿が完全に消え、気配が判らなくなった頃にまた近くの部屋の障子が開いてひょっこりとバロンとその陰から佳乃子が顔を出した。

「君ね……」
「ま、まだ、怖いんです……」
「僕と変わらないよ? みんな」
「み、光忠様みたいとは限らないじゃないですか……大きい声の人、沢山います」
「それはまぁ……性格はそれぞれだけど」

立ち慣れてない小鹿が震えながら立っている様な、そんな頼りない風情でバロンに顔を埋めてしまう佳乃子に困った表情で見下ろすがどうしようもない。
どうやったら慣れるのかと思うが自分でも唐突に行動を起こすと佳乃子は怯え逃げ惑うのだから、次々と新しい刀剣たちに会えばどうなるかは考えるよりも易かった。
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