第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)
慌てて止められて何事かと振り返ったこんのすけに、光忠が現状の執務室の状況をちらりと口にすればぺったりと耳を伏せたこんのすけが佳乃子を見て、見られた佳乃子はと言えば光忠を見た後顔を真っ青にしながらプルプルと小さく震えてバロンの影に隠れてしまった。
いっそ潔いほどの行動と、どうやったらそのぬいぐるみの影に隠れられるのかと言いたくなるほど器用な隠れ方に光忠とこんのすけが顔を見合わせてため息を吐く。
聞こえたため息にまた佳乃子はビクリと肩を揺らしたが、今後の対処を考えている一匹と一人はそれには気付けなかった。
結局、光忠が先に執務室へ赴き刀剣たちを何らかの理由で引っ張り出して、その間にこんのすけが一通りの説明とマニュアルを持ち出すことにして話が付き光忠は部屋を出て行った。
佳乃子はその背を無意識にすがる様に見つめていたが光忠は一度も振り返らずにその姿を廊下の向こうへと消して行った。