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小鹿の隠れ家

第1章 恋愛に至る道(出会いから恋に辿り着くまで)


04

暫く騒然としていたその部屋で、漸く佳乃子及びこんのすけと光忠が落ち着いたところで火鉢を引き寄せた光忠が仕切り直そうかと言いながら部屋に据置きなのだろう急須と湯呑を使ってお茶を淹れた。
光忠が火鉢の上で沸かしたお湯を使いお茶を淹れている間に、佳乃子はこそこそとバロンの影に隠れながらもテキパキと自分が寝かされていた布団を畳み隅に寄せているといつの間にか卓まで用意されてその上にお茶の湯飲みが三つ置かれていた。
佳乃子は一瞬三つもあってどうするのだろうと首を傾げたが、こんのすけがその内の一つを器用に飲んでみせたので納得した様に頷くと自分の分なのだろう湯呑の前に座ってぺこりと頭を下げてからバロンを上手に隣に座らせて両手でそれを持った。
一口飲むとほろ苦く甘い絶妙な日本茶の味が口の中に広がって、佳乃子はほっと一息吐く。

「え、えっと……その、こんのすけ様。わ、私はこちらで何をすれば……」
「あ、ああ! そうでした、そうでした。まずは現状のご説明ですね!」

気を取り直した佳乃子が、怯えながらも自分がここに来た目的を尋ねることにしてこんのすけに話しかけると現実逃避でもしていたかのようなこんのすけが慌てて姿勢を正して説明を始めた。
そこで説明された内容は、まず、ここが佳乃子の居た場所とは微妙に違う本丸と呼ばれる場所であること。それがどこかなどは地図上には表示されない場所、とか言えないらしいということ。
そして、この本丸というのは審神者という者一人につき一つ与えられる場所で、ある重要な政府からの指令をこなすための場所であること。
審神者という者は政府が選定し、選ばれた者が随時なっていること。審神者のこなす指令とは、過去に遡り歴史を根底から覆そうとする人たちの行動を阻止し今を守ることである。
その様な内容を次々と説明していくこんのすけに、佳乃子はただ静かにバロンを抱きしめ頷くのみである。
こんのすけの隣でそんな佳乃子の様子を眺めていた光忠は、話が一区切りついたところでそっと言葉を挟んだ。

「あの、さ。こんのすけ君?」
「はい! なんでしょう、光忠様」
「今更、だけど……こんな小さな子が審神者で、本当に仕事、減るのかい?」
「と、言いますと?」
「だって、どう見繕っても十かそこらの子じゃないか……」
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